国立西洋美術館で開催されている『印象派~室内をめぐる物語』に行ってきました。
絵画鑑賞は私の趣味の一つなのですが、忙しくて時間が取れず、久しぶりです。
一番観たい絵は、『ピアノを弾く少女たち』です。
フランスの印象派の画家、ピエール=オーギュスト・ルノワールが1892年頃に描いた、オルセー美術館所蔵の作品です。
ルノワールは特別好きな画家ではないのですが、観たかったのには訳があります。
ピアノを始めた頃の楽譜に、この絵が掲載されていたからです。( 何の楽譜かは記憶が曖昧です。)
ある日、ピアノの先生が絵を指差して「これは○○◯ちゃん ( 私 ) かな?ちょっと似ているね。」と私に言いました。
「髪の毛の色も違うし全然似てないよ。」と心の中で思いましたが、なんだか嬉しかった記憶があります。
絵の中のピアノを弾くお姉さんは、素敵に見えました。子どもの私は、それを素直に受け止めてしまいました😁
先生は、生徒全員にそう言ってたかもしれないのに、「私はこうなるかも💓」と大きな勘違いが芽生えた瞬間でした。
楽譜を開く度に、その絵が目に入ります。意識しなくても、潜在意識に強く働きかけたであろうことは否めません。
さて、久しぶりに目の前で観た絵は、あの頃と印象が少し違っていました。自分が年を重ねたからです。
画家ルノワールは、色の魔法使いでした!金、白、オレンジ、淡いグリーン、ピアノの茶色が、うまく熔け合っています。
その中で、反対色の青 (花瓶、髪のリボン、腰のリボン ) を差し色として使うことで、絵を引き締めて効果を上げています。
やっと再会した絵は、もはや憧れの対象ではなくなっていて、暖かい印象の幸せな気分になれる絵でした✨
ところで、私は『ピアノを弾く少女たち』になれたのか?というと...実際にはなれませんでした。
ピアノの道を志した時点で、このように和やかな感じでピアノに向き合う時間は無くなる、と言っても過言ではありません。
私の周りの音楽科のピアノを弾く少女たちも、アスリートのようにピアノを猛練習していました💦この絵とは大違いです。
チェルニー50番、ショパンエチュード、バッハ平均律などの難しい曲を、眉間にシワを寄せて真剣に弾いていました。
この絵の中の少女が弾いているのは、たぶん初級~中級の曲だと推測します。音声ガイドでは、『乙女の祈り』がBGMでした。
当時のヨーロッパの上流階級では、奥様やお嬢様が教養としてピアノを嗜むことが流行っていたそうです。
その頃のピアノの価格は、一般労働者の年収、またはそれ以上だったと言われます。
ピアノは単なる楽器ではなく、富の象徴でもあり、高級感を演出するインテリアの役割も兼ねていたのですね。
時代を経てもこの絵の人気が高いのは、優雅で穏やかで幸せな時間を切り取って描いているからかもしれない、と感じました。
生徒さんたちにも、この絵のような時間を少しでも感じてもらえたら嬉しいです♪
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