ピアノの先生は確定申告が苦手な人が多い?

2023年02月20日 12:09


先週、確定申告を済ませた。毎年のことだが、その準備作業には時間がかかる。正直に言って、あまり楽しくない。

ピアノの先生は、明らかに確定申告が苦手な人が多い。そのせいか、確定申告を全くしていない人も少なくない。

ピアノの先生の集まりで、情報を得ようと「確定申告どうしてる?」と気軽に聞いた時、誰もしていなくて驚いたことがある。

『確定申告』という言葉は、禁句だったのかもしれない、と場の雰囲気から感じた。

ピアノの先生が確定申告をしなかったり、苦手に感じてしまう理由を、6つのタイプ別に分けてみた。


【①収入が少ないタイプ】

そもそも、生徒が数人しかいないので、収入が少ない。(もちろん、この場合は金額的に確定申告をする必要が無い。)


【②意識高い系自転車操業タイプ】

仕事熱心で、自己研鑽、広告、教室の環境整備などに経費がかかり過ぎ、結局利益が少なくなってしまう。そのため、「申告の必要は無いだろう。」と思い込んでいる。


【③数字や計算が苦手タイプ】

学生時代、数学が苦手で赤点ばかり。数字を見ただけで頭が痛くなる。家計簿はもちろん、お金の記帳の習慣がほとんど無い。


【④片付けが出来ないタイプ】

整理整頓が特に苦手なため、領収書やレシートもどこかに紛失してしまい、見付からない。元々メモする習慣も無い。記憶がたどれずに、申告書を前に途方に暮れる。


【⑤闇医者タイプ】

教室の看板もホームページも一切公表せずに、口コミのみで生徒を増やしている。金銭感覚は堅実。税務署にバレないか内心ヒヤヒヤしている。


【⑥マリーアントワネットタイプ】

「確定申告?私には難しすぎて、何のことだかサッパリ分からないわ。でも、ピアノが弾ければいいんじゃない?」と、社会常識から離れたお花畑の世界で生きている。


【まとめ】

この世には、確定申告が得意なピアノの先生は存在しない。

一般的な金銭感覚や事務能力が著しく欠如している人もいる。パソコン操作が苦手な人も多い傾向にある。

だから、本当は確定申告を税理士に丸投げしたいところだ。しかし、その費用も捻出出来ないのが現状である。

一応、確定申告の本を買って読んでみるが、専門用語はチンプンカンプンだ。

その段階であきらめてしまう人も多い。そして、来年こそは申告しようと思う。それを繰り返しているタイプもいる。

ちなみに、専門的なピアノの先生に師事する場合、そこに月謝袋や領収書のやり取りは一切存在しないことが多い。(!)

言い値のレッスン代(○万円)を、毎回綺麗な封筒に入れて先生に恭しく捧げる。お金に関する質問は、無礼だとみなされる。

そういうことが当たり前の環境でピアノを長年学んできたことも、確定申告と何かしらの関係があるようにも思える。

また、音楽系では発達障害の傾向がある人も存在する。その場合は、関係書類を紛失しがちである。普通のことが難しい。

いずれにせよ、音楽の特性(表現や想像力など)と対極にあるのが確定申告の手続きだ。苦手なのは、至極当然のことである。


【同業のピアノの先生達へ】

①のケースは確定申告が必要ありませんが、②は申告の義務違反、③④⑤は収入の金額によっては脱税に該当します。

ピアノの先生という職業は、残念なことに、お嬢さんのアルバイト、または主婦の小遣い稼ぎ、と世間から見られがちです。

レッスン以外の時間も様々な努力や準備をしているのに、なぜか「気楽でいいね。」と言われてしまいます。

でも、ご自身が今までピアノに費やした練習時間を計算してみて下さい。10,000時間を軽く超えていませんか?

ちなみに、司法試験に合格するまでの勉強時間の目安は8,000時間と言われています。それよりも更に時間が多いのです。

私達は、気の遠くなるほどの時間と多額の費用をかけてピアノを学び、それで得た経験や知識を使ってレッスンをしています。

プロとして仕事をしていることを社会的に証明するためにも、毎年きちんと確定申告を行いましょう。

一人一人がキチンと事業報告をしていくことで、ピアノの先生に対する社会的信用やイメージも徐々に変化させましょう。


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