英語耳とは?上達のカギを握るのは先生の発音!

  • 目次
  •    ①英語耳と発音の重要性
  •    ②苦い英語経験
  •    ③英語と脳の働きの実験
  •    ④まず先生が変わろう!

①英語耳と発音の重要性


数年前に、新聞などで、公立中学校や高校の英語教師の英語力不足問題が大きく取り上げられました。

特に私が驚いたのは、公立中学校の英語の先生の大半(7割から8割)の英語力が、英検2級以下ということです。

同様に、英語の先生のTOEICのスコアの平均が560点というのも、プロ意識が低いのではないか、と感じました。

残念なことに、基礎を教える先生達の英語力は個人差が大きく、発音が悪い人もいるのが事実です。

児童向けの英語教室に至っては、英検3級以下の先生も結構います。

皆さんは、全国にチェーンを持つ児童向け英語教室の求人募集のサイトを見たことがありますか?

『中学生レベルの英語が分かる方』と記載されています。研修を受ければ英語の資格が無くても誰でも先生になれるのです。

J-shine(小学校英語指導者資格)も、通信教育で、たった数ヶ月(最短1ヶ月)で取得出来るシステムです。

しかし、英語の発音は日本語とは全く違います。英語の母音と子音の種類は、日本語の倍以上もあります。

残念ながら、それらを聴き分ける耳やキレイな発音は、短期間の研修や学習で身に付く類いのものではありません。

特に、日本人が苦手とする破裂音や摩擦音などは、発音が悪いと意味が全く違ってしまうことさえあります。

本当は、基礎レベルだからこそ正確な発音を聴いて様々な音に耳を慣らしていく必要があるのです。

発音はリスニングと直結しています。英語の音をきちんと聞き取れれば、その通りの正しい発音が出来ます。

だから、基礎の段階で最優先すべきは、『英語耳を作ること』です。

「日本人は英語が話せない。」とよく言われますが、その一番の原因は英語耳が出来ていないからです。

『英語耳』と聞くと、なんだか特別な耳のように思えますが、そうではありません。

先生が正しい発音で英語を話せば、それが生徒の脳にインプットされて英語耳が出来る、という単純な当たり前の仕組みです。

もし、先生の発音が悪くて英語耳が育たなかった場合は、その後どうなってしまうでしょうか?

英検、高校受験、大学受験、TOEICなどのリスニングパートが苦手になり、頑張って勉強しても、合計点数が伸ばせません。

高得点だと就職に有利とされるTOEICの試験では、全200問中、リスニング問題は100問で、実に配点の半分を占めます!

大げさでなく『先生の発音や教え方次第で、生徒の最終学歴、就職先、昇進など、人生が大きく変わってしまう』のです。

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②苦い英語経験


次に、私の英語にまつわる苦い経験をお話します。

私は、公立の中学校で英語の授業を50代の男の先生に3年間続けて教わりました。

英語の点数も悪くなかったので、自分では出来る方だと思っていました。

私の悲劇は、高校の英語の時間に起きました。順番が来た私が教科書を読み始めた途端、クラス中が大爆笑です。

「なぜ?」と思っていると、後ろの席の子が「英語の発音が変。まるで茨城弁みたい」と教えてくれました。

私の英語は、カタカナ英語を通り越して、茨城弁英語だったのです!

当時、中学の英語の授業は、先生の発音のあとに生徒がリピートする形でした。何の疑いもなく真似していました。

ピアノで鍛えた耳の良さが災いして、3年間の授業で、先生の発音がそのまま脳にコピーされてしまったのです。

一度覚えた発音の癖がなかなか抜けず、毎回笑われるので、高校の英語の時間がだんだん苦痛になりました。

当時の私は「英語の先生にだまされた」と腹が立ちましたが、怒りのぶつけようがありませんでした。

この話をどう感じますか?公立校に通う生徒は、英語の先生の質を選べず、自分の運だけに頼るしかないのです。

まるで、ロシアンルーレットです。どの先生に習うかによって、英語教育は大きな格差が生まれてしまうのです。

③英語と脳の働きの実験


次に、脳科学者の茂木健一郎さんによる「英語と脳の働き」を調べた実験についての記事の要約を紹介します。

脳には、「ミラーニューロン」という神経細胞があり、目の前の人間の動きを物真似するそうです。

実験によると、ミラーニューロンは、録画映像では反応せず、目の前の人が英語を話す時だけ活性化したそうです。

残念なことに、テレビやDVDはもちろん、スカイプでのオンラインレッスンでさえも、反応が無かったそうです。

簡単に言えば、『生身の人間からの英語を直に聴いた時に、脳は本気を出して真似しようとする』ということです。

この実験の結果から、対面授業での先生が話す英語が、生徒の脳に大きな影響を与えることが分かります。

音声教材を最初に大量に購入させ、それを使用しながらレッスンを行う教室では、脳の活動は少なくなってしまうでしょう。

ちょうど、関西人が、標準語のテレビのニュースやドラマを見ているのに、関西弁のアクセントで話すのと同じですね。

家族や生活圏などの身近な人達の話す言葉の方が、メディア媒体よりもはるかに強い刺激があり、影響力があるのです。

ちなみに、現行の中学三年間の英語の授業の総時間は、何時間だと思いますか?

なんと『420時間!』です。それだけの時間、生徒の脳のミラーニューロンは先生の英語を真似しているのです。

意識の高いお母さん達が、お子さんを英語教育に力を入れた学費の高い私立中学にお受験させるのも納得します。

④まず先生が変わろう


私が、英語をやり直した時、口や舌などの使い方、音の響き、発声など、日本語と全く違うのに驚きました。

仕方なく、中学レベルの英単語から、一つずつ正しい発音とアクセントを確認しながら覚え直しました。

でも、学校で何年間も勉強しているのに、時間とお金を掛けて改めてやり直さないと英会話が出来ないという教育は無駄です。 

だから、現在英語を指導している公立の中学校や小学校の先生方、児童英語教室の先生方へお願いです。

生徒達の未来は、英語教師の発音に大きく左右されてしまいます。強い責任感と自覚を持って教壇に立って下さい。

想像以上に感度の良い耳と柔軟な脳を持つ子ども達は、悪い発音ですら正確にコピーしてしまうものなのです。

私のように遠回りしてしまう人間や、英語が苦手になってしまう人間を、これ以上増やさないで下さい。

先生の役目は、生徒さんの未来の可能性を広げることです。

そのためには、まず、先生自身が英語のスキルを磨いて、特に発音を矯正して下さい。

全ての英語の先生が英語力を上げる努力をしていけば、「英語が話せない日本人」というのは過去の話になるかもしれません。

そうすれば、生徒の将来だけでなく、日本の未来さえも大きく変わっていくことは間違いないのですから。

        ミント音楽教室

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